無事に地上に帰ってきたイザナギは、一日に千人殺すと言ったイザナミのことを黄泉津よもつと名付けた。逃げて逃げて逃げた自分を追いかけてきたから、「道を追いかけてくる」という意味をもつ道敷ちしきとも名付けた。 だって、黄泉国よContinue reading “第1章 7.最後のこどもたち”
Author Archives: Tales of Japan
第1章 6.長い長い沈黙
傷つき恨んだイザナミは、死の穢けがれをまとう黄泉醜女よもつしこめを呼び出した。そうして、イザナギのことを追いかけさせた。 黄泉醜女よもつしこめは足が早い。あっという間にイザナギに追いついてしまった。 イザナギは、えい!とContinue reading “第1章 6.長い長い沈黙”
第1章 5.黄泉国
イザナギはイザナミのことを忘れようと思った。だけど、忘れられるはずもない。あきらめられるはずもない。だってうまれた時から一緒にいた対ついの神さまなのだから。心から愛した相手なのだから。 ―もう一度会いたい。 イザナギは、Continue reading “第1章 5.黄泉国”
第1章 4.火の神カグツチ
たくさんの神さまを生んだイザナギとイザナミ。 どれだけ子供を生んでも、ひとつひとつの命が奇跡みたいなんだってことには変わりがない。イザナギとイザナミは、毎日毎日幸せだった。 だけど、まだ世界は完璧にはならない。 ほかにどContinue reading “第1章 4.火の神カグツチ”
第1章 3.国生み 神生み
涙が出なくなった頃、イザナギとイザナミは天上界てんじょうかいに向かった。 天の神さまたちに相談しにきたのだ。 鹿の肩の骨を焼いて占いをする。焼いた桜の木の匂いが漂ただよった。骨のひび割れ具合を見て、別天つ神ことあまつかみContinue reading “第1章 3.国生み 神生み”
第1章 2.海が歌うとき
ある日、イザナギとイザナミは天の神さまたちに呼ばれたんだ。別天つ神ことあまつかみとよばれる、天の神さまたちに。 そうして「この漂ただよっている国を治めるように」と言われた。「ちゃんと作り固めるのだぞ」ってね。 だってこのContinue reading “第1章 2.海が歌うとき”
第1章 1.はじまりの物語
ずっとずっと昔。 きみがうまれるずっとずっと昔。 ぼくがうまれるずっとずっと昔。 世界にまだなにもなかった頃。 もしかしたら、もうすべてあったのかもしれない頃。 天上界てんじょうかいである高天原たかまのはら に神さまがあContinue reading “第1章 1.はじまりの物語”
日本神話について
日本神話を、知っていますか? 知っているようで知らない?よくわからない? 自分から探しにいかないと、現代の日本ではなかなか出会うことのない物語です。 その日本神話は、古事記(こじき)の上巻や日本書紀の1~2巻をはじめ、 Continue reading “日本神話について”